2018年3月13日火曜日

鬱病に対策が見つかった??後編

イギリスの「レディング大学」に籍を置く心理学研究者モハンマド・アルモサイウィの研究チームは、「子育てオンライン掲示板/Mumsnet」と「学生オンライン掲示板/StudentRoom」など19の掲示板と、「鬱病患者オンライン掲示板/不安と鬱掲示板」や「鬱病患者オンライン掲示板/自殺願望掲示板」を比較検討。



その結果、「不安と鬱掲示板」は50%、「自殺願望掲示板」は80%も独立語の使用度が多かったといいます。

独立語は物事の決めつけが極端な言葉で、「皆そう言っている」「あり得ない」「完全に間違っている」「世の中おかしい」等の絶対語をいう。

同時に2つの掲示板で特徴なのは、「私」、「自分」という「一人称代名詞」の使用頻度が高かったが、マイナス思考の感情表現に関しては、「不安と鬱掲示板」より「自殺願望掲示板」の方が少ない結果が出たようだ。

これは、自殺願望者はマイナス思考を既に通り抜けた結果かもしれず、もはやプラスもマイナスも何も感じなくなっている可能性があります。

さらに、鬱病から回復した人々が集うオンライン掲示板では、プラス思考の感情的表現度が増して、鬱病の掲示板より70%も高いデータが取れましたが、一方で独立語はまだ頻度が高い状況にあるのが確認されています。

その意味は、極論すると、今は鬱から解放された「躁(そう)」の状態にあるだけで、またいつ鬱を再発するかもしれない可能性を示唆している。



これらのデータを効果的、且、迅速に使えば、鬱を発症していない予備軍の人にとって、鬱病を発症する前段階を見つけるチェックに応用でき、幅広く社会に役立つ可能性が出てきます。

一人称代名詞とマイナス思考の違いも、鬱の前兆としては、マイナス思考的感情表現より、一人称代名詞&独立語の使用頻度の高い方が問題はより深刻ということも判明しています。

アルモサイウィは、鬱病患者の特定や、その予備軍の炙り出しにコンピュータを導入すれば、極めて高い確率で早期に見つけられ、前段階で治療することが出来ると断言。

更にその先には、自己学習型の会話型「AI(人工知能)」の導入で、鬱病の早期治療に貢献できるといいます。

現在、世界の3億5000万人が鬱病であり、日本でも100人に3~7人が鬱の疾患で苦しんでいる中、競争社会のストレスが常習化する中、鬱病はいつ誰が発症してもおかしくない状況にあります。
モハンマド・アルモサイウィのデータを世界が共有すれば、重い鬱病を患うまで放っておかれたり、抗鬱剤治療に失敗して薬物中毒に陥るほど深刻になることはないだろうっと。

言語に感情をデータを基にAIで解析。この流れの幾つかは世の流れを変えていく事になるでしょう。そして考える事をAI任せにする人々も増えていくと想像します。人々にとって福音となればいいのですが、この世は盾矛の陰陽。

なにせ、自分の世界観から1cmも出ようとしない方が世の8割を占めていると僕は感じます。ロボットのような人間??カンベンしてください笑

2018年3月12日月曜日

鬱病に対策が見つかった??前編

以前、伊藤計劃氏作「虐殺器官」について書きました。人には生得的に獲得可能な能力が遺伝子に刻まれていて、特殊な文法を用いて言葉を使えば、ミーム(meme)に関係なく器官が発動する、というお話。

「鬱(うつ)病/Clinical Depression」

今現在、日本の引きこもりは約23万5000人、準引きこもりは約46万人、 合わせて約69万5000人という計算になり、人手不足やGDPの低下という社会活力の低下につながるこの病は、鬱病が原因とされ、鬱病となると全世界で3億人以上、年間自殺者80万人という、深刻な社会問題に発展してます。

イギリスの「レディング大学」心理学研究者モハンマド・アルモサイウィの研究チームが、スーパーコンピュータを導入し、鬱病患者の特徴を解析した結果、鬱病時の「言語」と話の「内容」に独特の関わり方があることを見つけた、っと。

これは画期的手法であり朗報といえるのですが、アメリカではロック界のカート・コバーンや、詩人のシルヴィア・プラスが書いたエッセイや日記を分析した結果、問題の鬱語が明らかになったと。
このことは、以前から専門家の間で言われていたことらしく鬱病を発症した患者は、特殊な「鬱語」を使うようになることが判明しました。

患者本人にすれば、気づかないほどの小さな兆候であり、毎日使う言葉であっても、言葉や文章の平均的な長さや文法的使い分け等々を数値化し、それを正確に計測した結果、以下の特徴が垣間見られるといいます。

言語には大きく「内容」と「スタイル」の2つがあり、内容は言語によって表現される事象や物事の中身で、マイナス思考の感覚的表現の「寂しい(淋しい)」、「悲しい」、「惨め」という表現を、鬱病患者が頻繁に使うようになる。

一旦、人が鬱病を患うと、自分の事しか考えられなくなり、他者への感情的移入が難しくなるため、「私」、「自分」という「一人称代名詞」の使用頻度が多くなる傾向が出てくると。
鬱病患者は、部屋に閉じ籠って一人で悶々と不安を抱えたり、社会的孤立から自らの孤独感を感じてきたが、自己中心の思考が鬱病を発症させるのか、鬱病が自己中心的思考に陥らせるのかが不明でした。

そこで着目されたのが、もう一方の「スタイル」。

「言語スタイル」は表現される内容よりも、表現の仕方に関係があるため、些細な変化が如実に表れ、アルモサイウィの研究チームは、オンライン上の「メンタルヘルスの掲示板」から6400人をチョイスし、その会話データを詳細に分析した結果、鬱病患者には言語スタイルにも有意な違いがあることが分かったという。
その一つが「独立語/absolute words」で、言葉にすれば「毎回/always」、「絶対ない/nothing」、「完全に/completely」という「絶対語」で、その使用頻度が鬱病患者は極めて多いという結果に。
独立語は「ゼロか百」の二極分離で物事を判断するスタイルで、その間の段階やグラデーションは存在しません。

自分判断に右か左かしかない人間は、心に「ゆとり」という幅がなく、いつもギスギスして心が狭いため人を傷つけがちであり、すると益々人が近づかなくなり、孤立を深めて孤独へのスパイラルに落ち込んでいく。

周囲や専門家がいち早くその兆候をつかめば、病気が進行するのを軽減したり、あるいは周囲も本人も気づかない段階での治療も可能となります!

鬱病が進行して深刻になると、最悪は「自殺」する結果になり、逆に鬱病の特効薬「パキシル」等による「向精神薬依存症」が起き、「ヘロイン依存症」より酷い状態に陥ってしまう。

その間の患者の苦痛は尋常ではなく、そこへ世間の「薬物乱用者」の冷たい視線を受け、益々、症状を悪化させるケースが頻繁に起きていて、これも深刻な問題になりつつあります。

果たして、今回、アルモサイウィの研究チームは、本当の意味の鬱病対策を打ち立てられたのでしょうか?

続く